2015年に国連総会で採択された持続可能な世界の実現を目指すための国際社会の共通目標です。私たち自身と、子や孫、さらにその先の世代も豊に安心して暮らせる未来が続くために、人類・地球全体が直面している貧困・飢餓・気象変動などの問題を解決すために17の目標を掲げ、2030年までの達成を目指して国や政府、民間、組織、個人など世界各国で取り組みが進められています。
JA古川でも、第6次地域農業振興計画・JA経営計画にSDGsへの取り組みを掲げており、「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として自己改革への取り組みを通じて持続可能な地域農業・地域社会づくりを目指しています。
ここでは、目標達成に向けたJA古川での取り組みを6つに分けて紹介します。
安定的な食料供給のため、農業者の所得増大と農業生産の拡大、担い手の確保・育成に取り組んでいます。
主力となる「稲作」では、需要に応じた米生産に取り組み、実需者との結びつきを一層強め、環境に配慮し、ニーズに応じた様々な米を生産しています。野菜や花卉を生産する「園芸」では、JAが定める重点品目のナス・枝豆・ネギ・春菊において、1品目ごとの販売高1億円を目指して生産拡大に努めています。若手の園芸農家が集う「園芸振興会担い手部会『ぷらふる』」では、会員が生産した野菜を地元飲食店で提供している他、県内様々なイベント等での販売会も実施しています。
JA管内で生産が盛んな「大豆」は、実需者が求める品種の作付けを行い、品質向上と収量確保に向けた営農指導に取り組んでいます。
仙台牛を生産する「畜産」では、宮城県内で生まれた子牛を導入して育てる「みやぎうまれ みやぎそだち」にこだわりブランド化して、安全安心による付加価値を高めています。
生産現場から消費者に届くまでの流通・小売り段階でも環境負担や資源効率を意識した取り組みをしています。
産直組織では、県内のスーパーマーケット店内に設けられた「産直コーナー」で野菜等を販売しており、流通・販売段階での資源消費抑制に努めています。青年部が取り組むフードバンク事業では、部員が生産した米をNPO法人へ寄付し、フードロス削減と困窮者への支援に協力しています。
特色ある米生産のため、化学肥料の使用量や化学合成農薬の使用回数を従来の5割以下とした「環境保全米」への取り組みや、農業生産過程で排出されるビニールやポリ容器等の廃プラスチックを回収し、適正に処理することで環境に配慮した農業生産に取り組んでいます。
また、田んぼの生きもの調査を通して田んぼや周辺環境の状況を確認し、地域の生きものや生態系に関する情報を集め、環境に配慮した田んぼの管理に努めています。
農業は生産面だけでなく、生物多様性保全機能や体験農業の場など環境面・文化面で様々な機能を有しています。
農業体験イベントでは、地域住民を対象とした田植えや稲刈り体験のほか、田んぼの生きもの調査や世界農業遺産に認定された「大崎耕土」に関する講座を開くなど、農業を通じて地域や環境について学べる場を提供しています。
地域に根ざす協同組合として組合員・地域住民に様々なサービスを提供しています。
地域高齢者の集う場づくりを目指した「JA古川型福祉活動わいわい茶論(さろん)」や「ミニデイサービス」の開催、公用車へのドライブレコーダー設置による警察署とのデータ提供に関する協定締結などを通じて、安心して暮らせる地域社会づくりに貢献しています。
また、がん検診等への一部助成やインフラ機能(ガス・給油所事業等)、金融・共済サービスを提供しています。
女性部・青年部活動を通じた仲間との連携やJA事業への積極的な参加・参画に取り組んでいます。
女性部では、料理教室や手芸教室を通した仲間づくりや、世代・組織・地域を超えた仲間との交流、食農教育活動などに取り組んでいます。また、「JA運営への女性参画の必要性」の理解と意識向上を目指した学習会の開催や研修会にも積極的に参加しています。
青年部では、地域農業を持続させ、次世代に農業・農村文化を継承していくため、会員の繋がりを強化しながらより良い青年部を目指し活動しています。JA古川・大崎市・加美町とでは「高齢者等地域見守りへの取り組みに関する協定」を締結しており、地方公共団体と連携した地域見守り活動を実施しています。