大崎市やJA(古川、新みやぎ)、生産者などで構成する大崎市有機農業・グリーン化推進協議会は、令和4年度からアイガモロボなどのスマート農機を導入する栽培実証を開始。中山間地と平地それぞれの栽培マニュアルを作成し、労働力軽減や環境負荷を低減した米作りの普及を目指します。
実証する農機は、アイガモロボとスマートフォンを活用した水管理システム、リモコン草刈機の3種類。みどりの食料システム戦略推進交付金を活用しており、市内の中山間地と平地各3カ所の圃場で12月まで行います。
JA古川管内では、同協議会委員であるJAブランド米研究会の渡邊祐紀さんが「ささ結(東北194号)」を作付けする60アールの圃場で平地として実証。5月12日~31日までアイガモロボを導入しました。
アイガモロボは、ソーラー発電で稼働。GPSを利用して水田内を自動で進み、スマートフォンで遠隔操作でします。水中の泥を巻き上げることで水を濁らせ、雑草の成長を抑制することができます。
除草剤散布の手間がかからなかったという渡邊さんは「有機栽培米として他の米と差別化し、更なる付加価値を付けたい。今後も大崎の安全・安心な米を普及していきたい」と語りました。
同市産業経済部の安部祐輝産業振興局長は「農業人口減少の中、省力化と環境に配慮したグリーンな農業を実証し、普及を図る」と話していました。
同協議会は、農水省が策定した「みどりの食料システム戦略」を受けて令和4年5月に設立したもの。グリーンな栽培体系への転換に取り組むことで、世界農業遺産「大崎耕土」での有機農業や環境保全型農業の普及を図る狙いです。